>平岩外四

> 私の生涯の道として 一勤め人の職を選んでしまいました 電気事業という仕事にたずさわってきました そして事業が続くかぎり全員みんなの努力がその中に溶け込んでおります 私の分も何百万分の一か何千万分の一の 極く微量のものが事業の中に溶け込んでおります それが企業に従事する者の仕事と存じます 自分の足跡を刻む程のことはありません 私は年をとりまして 生命の燃焼も残り少なくなりました 死ぬ迄自分なりに自己陶冶していきたいと思います それも死とともに 消滅です 自分をあとに残さないように と思っております